ども、杉野です。

お待ちかね、激辛書評の時間がやってまいりました。

今回紹介する本は自己啓発書ではなく、文章に関するノウハウ本です。

いつもと同様、しょーもないタイトルの本ですが、そのタイトルの通り
内容もやっぱりしょーもないです。

どうせ、しょーもない人間が書いているんでしょうね。

というか、なんでこういう読者を小馬鹿にしたタイトルがついているのに、
みんな喜んで買っちゃうんでしょうか。

僕にはそれが不思議でなりません。

だってよく読んで下さいよ。

タイトルが学研の小学生ゼミみたいじゃないですか。

これを読んでもバカにされていると思わないのが、そもそもバカである
証拠です。

つまり、この本を買った30万人の方々は、この著者以上にしょーもない
人間だということです。

いやはや、まことに残念。

 

この本はタイトルからも分かるように、文章力を身につけるために
書かれた本ということになっています。

「この本を読んで実践すれば、伝わる文章が書けるようになる」
というのがウリなワケですが、これはまったくのウソです。

この本の内容をいくら学んでも、文章力なんて身につきません。

身につくのは「読みやすい文章を書く力」だけ。

彼の中で文章力の定義が「読みやすい文章を書く力」だとしたら、
ウソは言っていないことになりますが、それはちょっとおかしいと
思います。

だって彼自身「伝わる文章を書けるようになる」って言ってますから。

読みやすい文章と伝わる文章は別物です。

読みやすい文章は単に文章が整っていて読みやすいだけですから、
例えば文学書や論文などの整った文章も読みやすい文章に含まれます。

しかし、そういう文章が必ずしも読者に伝わるとは限りません。

当たり前ですが、論文なんてほとんどの人は何言っているのかすら
分からないですワケからね。

文章としては読みやすく整っているけれども内容がまったく伝わらない、
なんてことは文章にはよくあることなのです。

 

目次を読んだだけでも分かりますが、この本が紹介しているノウハウは
文章の形式に関するものに限られています。

「です」「ます」の使い分け、「だ」「である」で説得力が生まれる、
「れる」「られる」はなるべく使わないなど、どういう書き方をすれば
読みやすいかが語られているだけであって、人の心をわしづかみにする
ような心理学的なテクニックは何も書かれていません。

こんなので伝わる文章が書けたら、誰も苦労なんてしません。

僕だって10年書き続けて、この程度です。

もしかしたら僕の文才が恐ろしく乏しいのかもしれませんが、
それでも普通の人からしたら信じられないぐらいの量の文章を
今まで書いてきたと思います。

(参考までに、今は月に6万文字から10万文字ぐらい、例えるなら
毎月卒論が1つ出来るぐらいの文章を書いています)

神話の法則やシナリオライティング、コピーライティング、論理学、
心理学など、文章に関係することは一通り学んできたつもりです。

それでもこの程度なんですよ。

いかに伝わる文章を書くことが難しいか。

それは僕が痛いほど知っているのです。

 

この著者は完全に文章をなめています。

恐らく彼(や出版社)にとっては、この本を売ることだけが目的なの
でしょう。

そうでなければ、こんなに内容の薄っぺらい本を出すワケがないし、
タイトルでウソをつくはずがありません。

正直、もうウンザリです。

この手の本でも一度だけ多少まともな本を見つけたこともありましが、
それ以外はことごとく有害な本ばかり。

そして、それに気付かず、そんな本を買って喜ぶバカばかり。

どうして日本はこうなっちゃったんでしょうね。