【ここヒル激辛書評】ケニー・マクゴニガル著『スタンフォードの自分を変える教室』
2月 14
書評 ケニー・マクゴニガル, スタンフォードの自分を変える教室, ダニエル・カーネマン, ハウツー, ファスト&スロー, 目標達成, 行動経済学 No Comments
ども、杉野です。
このブログもメルマガのコピペだけじゃどうかと思ったので、
たまには巷の自己啓発書なんかを批評してみようかと思います。
哲学書や学術書を読む人間が巷の自己啓発書を読むとこんな風に
見えるのかー、というのを少しでも感じてもらえれば嬉しいです。
ではでは早速批評に入っていきましょう。
この本は、よくある目標達成のためのハウツー本です。
内容は別に悪いとは思いませんが、書いてあること自体は
ダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー』を100倍ぐらい
薄めてケーススタディーをとにかくいっぱい載せただけのもの
でしかありません。
意志の弱さというのは、カーネマン的に言えばシステム2の
怠慢です。
そのシステム2の尻をいかにして叩くか。
本書で語られている内容はそれだけです。
脳科学や生理学や瞑想の話も出てきますが、それらの話はすべて
行動経済学で説明がつくことばかりですから、普段からちゃんと
勉強している人にとっては何も学べることはありません。
学べることがあるとすれば「意志力」という謎のキーワードが
切り口としてビジネス的に成功したということぐらいでしょう。
そう考えると、この本を高く評価している人たちはみんな今まで
ろくな勉強もせずにボーっと生きてきた人なのだと思います。
だってそうでしょ?
この本に出会うまで、彼らは自己コントロールということすら
考えたこともなかったんだから。
ちゃんと頭を使って生きていれば、真面目に努力していれば、
この本に載っているぐらいのことは誰だって考えつくし、
考えついていたならとっくにやってます。
それを
「この本は素晴らしい」
なんて言って評価しているということは、それだけ今まで脳が
冷凍保存されていたということです。
この本でその脳が解凍されたのなら、それはそれで幸運なのかも
しれませんが、そんな調子じゃ、またすぐに凍りますよ。
お気をつけて。
本の批評からは話が大きくズレていますが、僕の批評は大体
こんな感じになると思っておいてください。
内容をまとめて紹介するだけのレビューだったら、わざわざ僕が
やる必要はないですからね。
ちなみに、今回批評した本は価格に見合う価値があるかどうかは
ともかくとして、可もなく不可もなく、という感じです。
10分程度の暇つぶしにはなるかな、と。
そう思います。
もちろんこれは「僕の」評価ですよ。
脳が冷凍保存されている人のことは知りませんから、ちゃんと
自分のレベルに応じて判断してくださいね。
それではー。