ども、杉野です。

久々にニャポレオン・ヒルの続きを書いてみました。

読んでみてくださいな。

 

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第20号 猫が教える成功哲学 ニャポレオン・ヒルの秘密(6)

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・・・11日目・・・

いつもの瞑想を済ませ、鉄平はレオン様と朝食を食べていた。

そこで鉄平は昨日の夜に考えたことを話し始める。

「昨日寝る前に考えたんだけどさ、まずは猫ブログを書くことから
はじめてみることにしたよ」

「ほう、そうか」

「で、そのブログには何を書くのだ?」

「そりゃもうレオン様にきまっ」

「ダメだ」

「えー、まだ言い終わってないじゃん」

「お前は自分の師匠を出汁に使う気か」

「だって身近にいる猫ってレオン様しかいないんだもん」

「甘えるな!」

「そもそもその猫ブログとやらと『みんなが笑顔で、貧困がなくて、
不安もなくて、誰もがやりたいことをやって暮らしている世界』は
どう関係あるのだ」

「うーん、それはまだ考え中」

「とりあえず、みんな猫の写真を見れば笑顔になるかなー、って」

「お前はやはり私の言ったことが理解できていないようだな」

「確かに私は、自分のやりたいことを世界に発信しろ、とは言った」

「だがな、鉄平」

「それは、ただデタラメに自分のやりたいことを発信すればいい、
ということではないのだ」

「え、そうなの?」

「でも発信してみないと周りがそれを望んでるか否かは
分からないんでしょ?」

「だったら数打つしかないじゃん」

「お前の言うことも一理あるが、そうではない」

「よく考えてみよ」

「誰が他の人気猫ブログを差し置いて、お前のブログなど見たいと
思うのだ?」

「お前は別に写真が得意なワケでもなければ、文章が上手い
ワケでもない」

「仮に私が写真を使うことを許可したとしても、そんな素人が
テキトーに書いたブログが読まれると思うか?」

「そんなのやってみないと分からないじゃん」

「そう思うならやってみればよい」

「ただし、私はモデルにはならんからな」

「えぇー」

「マタタビをご馳走してもダメ?」

「むむ・・・だ、だ、ダメだ・・・こ、これは譲らんぞ」

「ちっ、分かったよ」

「(絶対に見返してやる!)」

 

・・・朝食後・・・

 

「まずはモデルの猫をどうするかだなー」

「犬も歩けば棒に当たる・・・人も歩けば猫に当たる・・・」

「よしっ、たまには散歩でもするか」

鉄平は部屋を出て猫を探すことにした。

「そういえば動物園に行って以来の外出だなぁ」

「風がきもちぃー!!」

「お、もう蝶々が飛ぶような季節になったのか」

「うちの近所ってこんなに心地良かったっけか??」

「まあそんなことはいいか」

「とりあえず猫だ、猫」

「おーい、ねこー、いたら返事しろー!」

「・・・猫だが、なんか用か?」

「!?」

「今聞こえてはいけない声が聞こえたような・・・」

鉄平は振り返ってあたりを見回すが、何も見当たらない。

「・・・気のせい・・・だよな」

「よし、もう1回」

「おーい、ねこー!」

「だからなんか用か、って言ってんだろうがよ」

「うぇっ!?」

鉄平はふたたび振り返り、今度は入念にあたりを見回した。

すると近くの家の屋根の上に茶色い小太りの猫がこっちを
見ているのを見つけた。

「おい、そこの坊主」

茶色い猫が喋る。

「ちょっとこっち来いや」

「ちょ、ちょ、ちょっとって、言われても」

喋る猫に慣れた鉄平でも、さすがにこの不意打ちには動揺を
隠せない。

まさかレオン様の他にも喋る猫がいるとは想像もしなかったのだ。

「いいから来いって」

訳も分からぬまま鉄平は猫に近づいていく。

「お前、なんで猫なんて探してんだ?」

「い、いや、ちょっと、猫ブログを書くためのモデルを・・・」

「猫ブログ?なんだそりゃ」

「いや、あの、日記みたいなものです」

「ふーん」

「あ、あのー」

「なんだ?」

「な、なんで・・・喋れるんですか?」

「細けぇことは気にすんなよ、猫だってたまには喋りたいときぐらい
あるんだよ」

「は、はぁ」

「ところでよ、困ってんなら協力してやってもいいぜ」

「えぇっ!?」

「モデル探してんだろ?俺がやってやるよ」

「本当ですか?」

「あぁ、猫に二言はねぇ」

「(なんだかよく分からないけど)ありがとうございます!」

「あの、じゃあ早速写真撮っていいですか?」

「おう、自由にしろや」

「それじゃ遠慮なく」

カシャッ、カシャッ、カシャッ。

「えーっと・・・」

「どうした、遠慮なく撮ってくれていいんだぜ」

「そのポーズ・・・なんとかなりませんか?」

「あ?ダメか?」

「ダメっていうか、古いっていうか、猫らしくないっていうか」

猫はイヤミの「しぇー」のポーズをとっていた。

「じゃあこんなのはどうだ」

猫がポーズを変える。

カシャッ、カシャッ。

「うーん、もっと自然なポーズの方が有り難いんですが・・・」

今度はコマネチだった。

「なかなかモデルってのもてぇへんなんだな」

「もっと普通にしてくれていいんですよ?」

「いや、モデルになると言った以上は手を抜く気はねぇ」

「(かなり勘違いしちゃってるなぁ・・・)」

「分かりました、もう自由にしてください」

「よし、俺に任しとけっ!」

 

・・・撮影後・・・

 

「ふぃー、ちっと疲れたぜぇ」

「そういえばお前の名前聞いてなかったな」

「あ、俺は鉄平です、篠原鉄平」

「そうか、じゃあ今度からテツって呼ぶぜ」

「あの猫さんは?」

「俺か?俺はニャンドリュー・カーネギーってんだ」

「なんか聞いたことがあるような・・・」

「そうか?」

「まあそのままだと呼びにくいだろうから『ゲン』って
呼んでくれや、俺のあだ名だ」

「はい」

「あ、俺そろそろ昼ご飯を作りに家に帰らないといけないんで、
帰らせてもらいます」

「そうか、気をつけてな」

「今日はありがとうございました」

「いいってことよ、気にすんな」

「俺は大体ここにいるからよ、また用があったらいつでも来な」

「はい!」

 

・・・昼食・・・

 

「ただいまー」

「帰ったか」

「いいモデルは見つかったか?」

「まあね♪」

「やけに上機嫌だな」

「ふっふっふっ、そのうちビックリさせてあげるから楽しみに
しておいて下さいな」

「そうか、今は深く突っ込まないでおこう」

「そうしてちょうだい」

「そうそう、1つ聞きたいことがあったんだった」

「なんだ」

「レオン様以外に喋る猫って結構いるもんなの?」

「なぜ急にそんなことを聞く」

「いや、なんとなく気になってさ(今日のことは結果が出るまで
ナイショにしておこう)」

「いるにはいるが」

「どれぐらい?」

「多くはない」

「もっと具体的に教えてよぉ」

「私も正確には把握しておらんのだ」

「そっかぁ、でもレオン様以外にもそれなりにいるんだね」

「そういうことだ」

「わかった、ありがとう」

「そんなことよりも早く飯にするぞ」

「腹が減って死にそうだ」

「はいはーい」

 

・・・昼食後・・・

 

「よーし、写真も撮ったことだし、ブログを作ろう」

カチャカチャ・・・ブログ完成。

「これぐらいはプログラムを組むのに比べれば屁でもないな」

「あ、そうだ、ブログの名前はどうしよう」

「うーん『ネコっとライフ』でいいや、無難だし」

「とりあえず記事は5つぐらいアップしておこう」

「写真も貼りつけて・・・これでよし」

「まあ初日だし、まずはこれぐらいでいいでしょ」

「そのうちブログの書籍化、なんてこともあり得るかも・・・
ひっひっひっ」

「さて、もうこんな時間か」

「ブログ作ってるとあっという間に時間が経つんだなぁ」

「そろそろ晩御飯の準備をしないと」

 

ゲンと出会った鉄平はこうして毎日着々とブログを更新していった。

しかし、1ヶ月が過ぎてもブログのアクセスは思うように伸びず、
鉄平は焦りを感じはじめていた。

そしてレオン様と出会って2ヶ月が経ったある日、事件が起こる。

つづく。

 

ありがとうございました。

杉野

 

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