僕は以前、『実存の部屋』の方で

「なぜあなたの思考は現実化しないのか」

という記事を書いたことがあります。

読んでもらえれば分かるように、ここで僕は「思考」の定義を
話していて、無意識的思考が「思考」のことだと言っています。

これは今でも間違いではないと思っていますが、いかんせん
この記事は何年も前のものなので、今の僕から見るとどうしても
説明の粗さが目立つんですよね。

というワケで今回は、この記事をリニューアルして、
2016年バージョンの記事を書いてみたいと思います。

 

まずは「思考は現実化する」の「思考」の定義です。

これは無意識的思考のことで間違いありませんが、
より厳密に言うと、「思考」とは無意識的思考の深い部分、
われわれの思考そのものを支えている前提のことです。

例えば「お金がほしい」ということを願ったり考えたり
することは、「自分にはお金がない」ということが前提に
なっていますよね?

われわれは自分にはお金がないと「思っている」から、
お金がほしいと願うワケです。

今「思っている」にカッコをつけたことからも分かるように、
この「思っている」が現実化している「思考」です。

だから意識的思考でお金がほしいと思い続けているかぎり、
その前提であるお金がないという前提が現実化され続けます。

一般化すると、何かを欲することは、その「何か」が自分に
無いということを前提としているため、その何かが無い
という前提(無意識的思考)が現実化しているということです。

この「思考=前提」という定義を理解していないことが、
思考が現実化しない1つ目の理由です。

 

次に「現実化」の定義も確認しておきます。

これはもう以前話した通りで、今われわれが見ている現実が、
われわれの「思考」が現実化した現実だということです。

つまり思考の現実化は、今この瞬間も起こり続けています。

そういえば以前見たヤフー知恵袋で「何度やっても思考が
現実化しません、どうすれば思考は現実化するんですか?」
というような質問があって、そこに面白い回答がありました。

「なにを言ってるんですか、何度やっても思考が現実化しない、
ってことが現実化してるじゃないですか」

まさにその通りなんですよ。

この質問者は「思考」の定義を誤解しているから上記のような
質問をしてしまうのであって、われわれの現実はいつでも、
われわれの「思考」、つまり前提を表しているのです。

この質問者の例で言えば、彼は思考を現実化させたい
ワケですから、「自分は今、思考を現実化できていない」
ということが前提になっています。

できていないという前提がなければ、それをできるように
しようとは思わないですよね?

だからその「できていない」という思考(前提)が
現実化している、というだけなのです。

この「現実化=今この瞬間に起こっていること」という定義を
理解していないことが、思考が現実化しない2つ目の理由と
言えるでしょう。

 

最後は方法ですね。

じゃあどうやったら「思考」、つまり前提を変えられるのか。

これを知らないことが思考が現実化しない3つ目の理由です。

でもやることはめちゃシンプルで、前提を自覚するだけ、
なんですよ。

例えばスーパーへ買い物に行った際、ほとんど人は値段で
商品を選ぶと思います。

今日はキャベツが安いから買っておこう、鶏肉が特価だから
買っておこう・・・という感じで買うことが多いと思いますが、
その「安いから買っておこう」は「自分は貧乏だ」
ということが前提になっていることに気付いているでしょうか?

もし「自分は金持ちだ」という前提で買い物をしているならば、
安さではなく本当に欲しいものを買おうとするはずです。

少なくとも「お買い得だから買っておこう」という発想には
ならないでしょう。

だって、お買い得だろうがそうじゃなかろうが、お金持ちなら
欲しいものを買うし、欲しくないものは買わないんだから。

別に安いものを買うことが悪いワケじゃないですが、
そうやって値段で選ぶことは「自分は貧乏だ」
ということを前提にした行動ですから、いつまで経っても
その「自分は貧乏だ」が現実化され続けます。

これを日常のあらゆる場面で自覚するということです。

もちろん簡単ではありませんが、簡単じゃないからこそ、
ほとんどの人ができないからこそ、自分が現実化したい思考を
思考できることに価値があるのです。

 

まとめておくと

1.「思考」の定義を誤解している
2.「現実化」の定義を誤解している
3.思考を現実化させる方法を知らない
(もしくは知っていても実行できない)

というのが、思考が現実化しない3つの理由です。

サラッと話しましたが、実は政治や経済、哲学、芸術、宗教など、
そういった深いことを学ぶべき理由は3の方法に関わっています。

もう1つのメルマガで少し前に話した例を出しておくと、

「時間は過去・現在・未来へと流れている」

という深い深い前提が現実化したのが、今われわれに
見えている世界です(実は中世までの人たちはこんな風には
時間を捉えていませんでした)。

さすがにこれ以上は突っ込まないでおきますが、買い物のような
小さな前提から、世界の見え方という大きな前提まで、すべては
同じ理屈で説明できます。

恐らくこっちメルマガしか読んでいない人は哲学や宗教には
興味がないだろうし、それらを学ぶことは遠回りにしか思えないと
思いますが、僕の個人的な実感としては、そっちから回った方が
思考を現実化させられる「精度」は確実に上がります。

要するに、自分の前提を自覚しやすくなる、ということです。

そんなワケで、しんどいことを避けたくなる気持ちは
分かりますが、結局しんどい修行をしないと前提を
自覚するための力は鍛えられないので、難しいことには
積極的にチャレンジするようにしてくださいませ。

ではでは。

ありがとうございました。